第26話

そんな微睡みの中、ティオナットは教師に起こされた




「おい、ブリクスト!


授業中に寝てるって事は授業内容分かってんだよな?


シルバーウルフの特徴と属性言ってみろ!」


「…ん……


シルバーウルフはほとんどの森に生息していて、1匹だとランクはB、

集団になるとチームプレーとかが出来て危険だからランクは一気に跳ね上がってSランクになる


属性は大体が風だけどたまに火属性を持った希少種もいる


そういう希少種は1匹でもランクはAになって、集団の中にそれが1匹でも混ざっていると、SSランクに跳ね上がる


あーっと…、大きさは他のウルフ系と同じくらいの大きさで毛が銀色なのが大きな特徴


性格としては警戒心がとても強く、使い魔だったとしてもなかなか人に懐いたりしない」




ティオナットは眠い目を擦りながらそう言うと、教師や他の生徒達がこちらをぽかんと見ていた




「………何?


何も間違ってないはずなんだけど、何か違った?」


「……いや…、お前なんでそんなに詳しいんだ?


そんなに詳しくはまだ教えられてないはずなんだが…」




ティオナットの疑問に答えたのは教科担当の教師


まだそこまで授業が進んでいなかったらしい


だから驚いていたのか、と眠い頭でぼんやりと思った


そして次の瞬間からうつらうつらとし始めるティオナット


それに反応して教師が慌てる




「ま、待て、ブリクスト!


寝るな!


まだ授業は終わってないぞ!!」


「ん………んぅ…


だって知ってる事を聞かされても退屈だし…」




頭を振って眠気を覚まして応えると、教師は眉尻を下げた




「……いや、例え知っていたとしても復習する事によって記憶違いがないか確認出来るし、もしかしたら新しい情報だってあるかもしれないんだ


この授業はもし魔物と出会した時に生き残る可能性を少しでも高める為に必要なんだ


そして授業態度も成績の中に含まれるから、寝ないで欲しいんだがな?


ブリクストは理解もよさそうだし、テストでいい点が取れるだろうが、授業態度が悪すぎると最悪補習に付き合って貰わねばならんのだ」

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