第27話
存外、マトモな事を言う教師
それにほう… と小さく感心する
いくら教師と言えども忌み子に偏見などもあるだろうにティオナットを一生徒として普通に接していたのだから
普通なら、フレッド以外の生徒の反応がこの世界では当たり前なのだから
それに驚くのもしょうがないというものだろう
「………分かった、一応授業は聞いとく…」
「良し、んじゃ授業続けるぞー
ブリクストはまた寝たら当てるからなー、寝るなよー」
「…うぃ」
最後にちょっと睨まれたので、返事するつもりなどなかったのに気付いたら小さく返事していた
流石はニコラスが選んできた教師達といったところか、もしかしたらほとんどの教師が彼のように偏見していないか、表に出す事はしないのかもしれない
…まぁ、もしかしたら なのだからそこまで期待などしていないのだが
偏見のない人間が多いとティオナットとしても助かるのだ
わざわざ嫌味などを言われずに済むし、大体はシカトしているのだが何を血迷ったのか突っかかってくる馬鹿などもいるからだ
とは言っても、突っかかってきたりしたら普通にティオナットに3倍返しされるのがオチなのだが
その後は、1度またティオナットが寝そうになったところで教師に当てられて詳しく解説付きで解答して驚かれたのを繰り返して授業は終わった
授業が終わると、フレッドはまたティオナットの机の前まで来た
それと同時に喋り出す
「ティオナットすげーな!!
めっちゃ頭いいんだなー」
「ん…?
……あれくらい普通じゃないの?」
また寝そうになっていたティオナットは目を擦りながら応える
眠いためちょっと反応が遅くなった
それを聞いたフレッドは頭をブンブンと左右に勢い良く振る
それを見るティオナットは、そんな勢い良く振ってて気持ち悪くなんないの…? と、ちょっと的外れなことを思っていた
「まだ入学して3ヶ月しか経ってないからそんなに詳しくは習ってないって!
ティオナットってギルド登録してる?
ランク何?」
矢継ぎ早に質問してくるフレッドに少し辟易しながらティオナットは一応応える
「……ランクはB
フレッドは?」
「すげぇっ!!
俺まだCだよー」
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