第15話

ふぅん とどうでも良さげに気のない返事をしたティオナット


頭の中では この学校の教師達大丈夫なわけ? と、ティオナット以外であればかなり失礼な事を考えていたりもした


が、でもまぁ と考え直す


ニコラスが選び、雇った者達なのだから大丈夫なのだろう と


この様に、ティオナットからニコラスへの信頼はとても厚い


小さい頃からお世話になっている事もその理由の1つだが、1番の理由とはニコラスのその性格だ


ニコラスはこう見えても意外と狡猾で、腹黒なのだが、1度懐に入れた相手には甘く、嘘は吐かないし相手にとってマイナスになる様な事はしない男なのである


だからティオナットはニコラスを信頼しているので深くは考えず、次を促した




「で、この後は?


今の時間ならもう授業始まってるよね?」




ちらりと時計を見て言う


現在時刻は9時少し前


因みに、この部屋に着いたのは8時ちょっと過ぎだった




「うん、今日はこのまま寮に入ってくれて良いよ


もー敬語疲れた


学園と寮の地図あげるから、ごめんだけどそれ見ながら行ってくれる?


僕はまだまだ仕事あるし、教師陣は授業とかあるからねー


ごめんね? ティオナット」




いい加減胡散臭い敬語が面倒になったニコラスが1枚の紙を渡してくれた


それが地図だった




「ん、分かった


地図ありがとう


じゃぁ」


「はーい、たまには僕に会いに来てねー


今度は先に前もって念話で来る事教えて貰えればお茶とお菓子くらい準備しとくから!」




ニコラスのその言葉にティオナットは微笑を浮かべる




「…ありがとう


期待しとく」


「うん!


あ、なるべく転移は使わないでねー


じゃぁ、良い学園生活を!」




その言葉を最後にティオナットは部屋を出た


部屋の上方にあるプレートには、 理事長室 と書いてあった


それを見たティオナットは1つため息を吐き、地図に視線を落とし、寮へと向かった

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