第13話

ニコラスのいつもの 息子にならないか という提案を受け流し、ティオナットは早々に本題へと入った




「そんな事より、この学校について教えて


昨日突然父にここに入る事言われて、ぶっちゃけこの学校について名前と全寮制である事しか知らないんだ


だから、理事長としての説明、よろしくね?」




にっこりとそう言えば、ニコラスはティオナットの中の怒りを敏感に感じとったのか、小さかったが鋭く息を飲み込み、説明を始めた




「ここ、ノルスーノ学園は国内1の超難関校なんだ


満15歳からの5年間通って貰うよ


えーっと、クラスは上から順にS、A、B、C、D、E、Fの7クラスあって、ティオナットには1年Sクラスに入って貰うね


因みにSクラスは貴族とか特待生が大半だからちょっと大変かもしれないけど頑張って!


後、途中編入だから今からちょっとした編入試験受けて貰いまーす


ティオナットなら楽にパス出来ると思うからしなくても良さそうなんだけどねー?


一応しとかないと外野がうるさいからさー、ごめんね?


それと寮なんだけど、普通なら2人1部屋なんだけど

ティオナットは僕のお気に入りって事で特別に1人部屋だよ!


それから雷帝はもう帰って」




途中まではティオナットを見てニコニコとしていたニコラスだが、最後の雷帝に対してだけは本当に冷たかった


ティオナットの横で聞いていた雷帝はニコラスの最後の言葉と共にその場へ崩れ落ちた


しくしくと顔を手で覆い、泣き真似などしていてとても不愉快だった


そんな雷帝に苛ついたティオナットは雷帝をギルマスの部屋へ強制転移させる


ギルマスの部屋という処はティオナットの優しさである


これが知らない他人で同じくらい苛つかされていたら、龍やドラゴンなどの目の前、なんて事もあり得るのだから


いやはや全く、恐い子供である




「で?


その編入試験とやらは今からなんだよね?


問題用紙ちょうだい」




雷帝の事などなかったかの様な会話の運び


もしこれを雷帝が聞いていたら、自分の扱いのひどさへの抗議としてぎゃんぎゃん煩かっただろう

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