第二章
季節外れの転校生
第12話
翌日、ティオナットはいつも通りの時間に目を覚まし、学校へ行く準備をしていた
ちょうど準備が終わった時、自室のインターホンに呼び出され、来客を見ると、案の定雷帝だった
必要な物は全てボックスの中に入れてあるのでティオナットは手ぶらのまま外に出る
「おはよう、ティオナット
忘れ物はないよな?」
「おはよ
多分ないよ」
雷帝の挨拶と確認をさらっと受け流して、瞳で早くと訴える
それを見て雷帝は まぁいっか… と投げ遣りに呟き、ティオナットの肩に手を置き、転移する
ぐにゃりと視界が歪み、一瞬の浮遊感を感じると
そこは知らない部屋で仕事机と思われる机を挟んだ目の前に、
土帝の息子でこれから通うノルスーノ学園の理事長、ニコラス・スオーロが居た
ニコラスは雷帝とティオナットを見てビックリしていた
だが、それもそうだろう
この学園には学園全体を覆う大きな結界が張ってあり、その結界の作用の中に転移防止が施されてあるのにも関わらず、その結界をすり抜けて転移して来たのだから
帝なのだからそんな事出来るだろうとか思うかもしれないが、こんな規格外な事、異世界広しと言えども出来るのは2人だけ
雷帝と蒼風の氷帝である、ティオナットだけだ
それに、例え結界を壊してでも転移して来れるのはこの2人を含めても
両手で数える程も居ないのだ
だからこそ、ニコラスは驚いたのだ
そしてそのせいで数瞬遅れた反応
これは普段の彼らしくなかった
それを見て、ティオナットは悟った
「……父、今から来ると伝えた?」
その疑問に、雷帝はティオナットの顔見て、ハッ!! とした顔をする
それに少なからずともイラッとするティオナットとニコラス
はぁ… と深くため息を吐いた後でティオナットはニコラスに話しかけた
「馬鹿な父でごめんね、ニコラス
今日からこの学校でお世話になるよ
これから5年間、よろしくね」
「…うん、ティオナットはちゃんとした常識人だね、良かった
こんなのと縁切って僕の息子にならない?」
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