第9話

忌み子の彼が10歳になった時、彼は既にSSSランクになっていた


実力としてはZランク以上ありそうなのだが、彼はずっとSSSランクに留まっていた


そこで雷帝は、彼に冗談混じりに帝の全員と勝負してみないかと提案した処、彼はそれを軽い気持ちでOKした


そして帝達vs彼で試合をして、彼が圧勝してしまった


だから、そこから新しくランクを作ろうとなり、彼の為だけにXランクが作られ、彼は蒼風の氷帝と言う名を貰った


部屋に着いた彼はふぅ、とため息を溢した時、雷帝から念話が入った




[ティオナット、悪いけど今から俺の部屋に来て


氷帝としてじゃなくてお前本人としてだから、ローブ被って来んなよ


じゃっ]




言いたい事だけ言って念話を切った雷帝


彼、ティオナットはまたため息を溢してギルドマスター、略してギルマスの部屋へと転移した


転移は雷帝の机の前へ成功した


机を挟んで、目の前に雷帝がいる




「父、何?」




ティオナットは雷帝の事を父と呼んで慕っている


ティオナットを拾って育てくれたのだから、それなりの愛情だってある


だから、ティオナットは雷帝のことを敬愛を籠めて父と呼ぶ


そしてその父は、とんでもないことを次の瞬間のたまう




「あぁ、そう!


お前学校に行って来い」




さっき思い出した! とでも言いたげに、軽くそんな事を突然言われた


ティオナットは意味が解らずきょとんとすることしかできなかった




「………なんで今更……?」




そう、最もな疑問をぶつける


戦闘力は文句なしで、頭脳も帝達に色々と教えて貰い、学んで来たので、別にそこいらの大人よりは知識量も豊富で今更学校に行く意味が見いだせなかったのだ


それなのに何故、今更…?




「お前もたまには同年代の奴等と喋って遊んでこい


あ、因みにこれギルマス命令だから絶対なー」




ちょっと自分の事を考えてくれているのかと感動しかけたが、最後の言葉で全てが台無しになった




「………あ、そう…


で?


学校って何処?」




あっさりと了承したティオナット


彼は雷帝には何を言っても1度言った事は何が何でも必ずやり通す、頑固な有言実行タイプだと知っているから無駄な抵抗はしなかった


伊達に15年も雷帝と付き合っている訳ではないのだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る