第27話

神華は一人になりたくなかった


だから、この世界に神華と五つ神の紅龍達以外にも、普通の人を造った


“造った”と一口に言っても、彼女はただ此処に居て欲しいと願っただけだ…


ただ、それだけだったんだ………


ボクは“一人”が嫌なモノだと知っていたから……………






――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




あれから、神華がこの世界に来て、紅龍たち五つ神が生まれてから約1万と、2638年が過ぎた


この世界はずっと平和だった


神華はずっと歳をとらず、姿形も変わらずに過ごしてきた


もちろん、紅龍達五つ神もそうだ


だが、この世界の普通の人はやはり歳をとり、死んでいった


でも、子孫を残して死んでいった


だから、人は絶えず生きている


しかし、最近になってからは動物とは違い、“魔物”と言われる生物が派生してきて、人の生命を脅かす様になっていた




ある日、ボクは紅龍達に呼び出された


その場所はラダ森と言う、魔力磁場の高いところだった


翠龍と緑龍の推察によると、ボクが初めてここに来て、五つ神を創ったからその時の魔力の残滓が、この場所に留まり、魔力磁場が高まったのではないかというものだった


ボクがラダ森につくと、皆は先に来ていた




神華「ゴメン


ボクが1番最後だったみたいだね」


雷龍「神華遅いぃー」


神華「だから、ゴメンってばぁ」


紅龍「雷龍、もう良いだろ」


神華「あ♪


紅龍、その姿可愛いね!」


紅龍「可愛いくないっ!!」




紅龍は慌てて否定し睨んだが、その容姿は全然恐くなかった


なぜなら、猫の様な体躯に、長い獣耳にフサフサで長い尻尾


因みに色は全体的には綺麗な純白で、耳と尻尾の先等へんだけ紅かった




神華「紅龍、抱っこして良い…?」


紅龍「なあっ!?


神華、テメ、何言ってんだ、バカっ!!」




ガッと鈍い音がした




紅龍「い゛ッ!?」




いきなり、翠龍が紅龍を殴った


紅龍は即座に翠龍に文句を言い、翠龍はそれに冷静に言い返す


そして更に紅龍が怒り、何やらおっぱじめる


それを見て、神華と雷龍達がクスクス笑う


とても心地よい穏やかな日々




だった…


この時までは






風龍「神華、今宵は神華に話しがあった


きてくれて感謝する」




紅龍と翠龍の仲は元から余り良くないから、風龍達は紅龍と翠龍を放って、話し始めた




風龍「神華に来て欲しい場所がある


ついて来てはくれまいか?」


神華「ん?


良いよ♪


何処行くの?」


雷龍「それはぁー、ヒミツだよぉー♪」




そう言って、風龍達は歩き出したので、その後について行った


この時、言われるがままについて行かなければ、また違った未来があったのかな…?

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