第20話
リンは大きなため息を吐き、苦笑する
リン「………それは、シンヤがついでに心配だったと言ってる様に聞こえるけど、気のせい?」
ライド「えっ!?
ち、違う、そんな事ないっ!!」
リン「……そう?」
ライド「うん!!」
リンの疑問に慌てて否定するライド
それが図星のようにも見えたが、とりあえず納得したらしいリン
信哉「ライド…
とりあえず、ありがと?」
ライド「え、何その間!?
しかもなんで疑問系!?
……てか、そこの2人は誰…?」
信哉の疑問形のお礼に突っ込むライドだったが、唐突に紅と翠龍に首を傾げる
何となく面倒になった信哉はライドのその疑問に適当に応える
信哉「紅いのが紅で、青いのが翠龍ってヒト」
ライド「………シンヤ、いささか適当過ぎると思うけど…」
信哉「あれ、バレた?」
ライド「うん…
えっと、紅と翠龍……………
え?
翠龍って、あの五つ神の翠龍様!?」
リン「そう
それから、シンヤが“紅”って言ったヒトも五つ神の紅龍だよ」
ライド「え゛!?
なんで五つ神の翠龍様と紅龍様が此処に…?」
ライドがその2人が誰なのか理解すると、最もな疑問を口にをする
信哉としては、そもそも五つ神が何なのかも気になるところだ
翠龍「フンッ
貴様等、人に用などない
紅龍、さっさと行くぞ」
紅「ハッ、ヤなこった」
翠龍はライドの疑問をぶった切って紅龍を連れて行こうとするが、当の本人に嫌だと突っぱねられる
それにより翠龍のこめかみに青筋が浮いたのだが、紅龍にはそんなことどうでも良い
翠龍「そうか
なら、無理矢理連れて行くまでだ」
紅「やれるもんならやってみろ
但し、信哉に何かあったら容赦なく殺す」
翠龍「フンッ
では、無理矢理連れて行ってやろう」
一触即発のその空気の中、最初に仕掛けたのは翠龍だった
ゴォッ!! と、翠龍の周りから大量の水が紅に襲いかかる
紅はそれを避けるため信哉を抱えて飛ぶと、水は紅と信哉を追って翠龍の意のままに回転をかけながら跳ね上がる
紅は信哉を一旦上の方に置くと、翠龍に向かって大きな炎の玉を放つ
それを防ぐために翠龍の前には分厚い水の壁が出来、紅の放った炎の玉を飲み込んだ
火と水では、水が強いのは自明の理
紅の放った炎の玉は、翠龍の水の壁の中に消えた
そしてその水が紅を目掛けて飛んで来るが次の瞬間、翠龍の水が全てパンッと元から何もなかったかのように突然消えた
紅「どうした?
オレを無理矢理連れて行くんだろ?
ほら、やってみろよ
テメェのお得意の水でオレを捕まえれば良いじゃねーか」
翠龍「フンッ、黙れ
すぐに捕まえてやるさ」
信哉「紅!!
後ろっ!!」
信哉が気付き、叫んだ頃にはもう遅く、紅は翠龍の水の玉の中だった
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