第19話
信哉「ライド!?」
リン「ライドっ!!」
ギンゼス「!?」
紅「ぅお!?」
翠龍「!
…チッ…」
扉を開けた人物、それはライドだった
扉が開くと同時に紅が信哉を守るかのように前に来たので少し見難かったが、それがライドだと確認できた
リン「ライド!!
大丈夫なの!?
あのケガ、凄く深く抉られてて酷かったのに…」
ライド「あぁ、リンが治療してくれたんだろ?
助かったよ、ありがとな…」
ライドの顔は痛みに引き吊っていた
恐らく、あのケガが原因だろう
額には汗も滲んでいるし、顔色も土気色をしていてとても良いとは言えないほど悪い
そんなライドが心配になり、信哉も口を開く
信哉「ライド…
あんな大ケガしたんだから、すぐに動いちゃダメだよ…」
ライド「シンヤ…
大丈夫だって…」
信哉「ライド、やせ我慢してるのバレバレ
顔色悪いじゃん…
ゆっくり休んどかなきゃダメだよ」
ライド「でも、リンはオレのパートナーだから、一緒に居ないと…」
そこまで言うと、リンにしては低い声がその綺麗な唇から聞こえてきた
その声は、心なしか怒りが多分に混じっていたように聞こえたが…
リン「…ライド…
あの置き手紙読まなかったの?」
ライド「よ、読んだけど…
でも…っ」
リン「“けど…”でも
“でも…”でも、ないっ!!!
何の為にあの置き手紙を書いたと思ってるのっ!?」
ライド「!!!」
リンの大声にライドの身体が撥ねた
それが恐怖からなのか、驚きからなのかは、青くなったその顔色が教えてくれた
リン「ライドが回復仕切れないまま、僕らを探して此処に来ちゃうんじゃないかと思ったから、置き手紙を書いたんだよ!
ライドの為を思って書いたのにっ!!
どうして解ってくれないの、ライドのバカ!!!」
リンの大声に信哉はびっくりする
リンと過ごした時間など、ほんの数時間程度のものだが、リンがこんなに怒るとは思わなかったのだ
今まで、物腰もやわらかく、1番穏やかで静かだったリン
そのリンがまさかここまで怒るとは、ライドも思ってなかったのだろう
ライドもびくりと体を竦ませると、とても申し訳なさそうに言い訳を始めた
まぁ、その言い訳とやらも言い訳として通じるような立派なものでもなかったのだが
ライド「リン……、ごめん…
俺、リンの気持ち、ちゃんと考えれてなかった……
で、でも、リンが…
リンとシンヤが心配だったんだ…!」
最初はしょんぼりと申し訳なさそうだった声も、心配だったと己の気持ちを表すところだけはしっかりと声が出ているライド
その分気持ちはちゃんとリンに届いているようだ
リンは怒っているはずなのに、表情がどこか嬉しそうなのだ
……もしかしたら信哉の見間違いかもしれないが
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