第16話
~リンside~
紅「………」
シンヤ、いや、紅龍が例の予言をしたのが翠龍様かと聞いてギンゼス様が狼狽えたから、それが本当だと分かったのだろう
紅龍の回りがピリピリしていて、苛ついているのが見てとれる
後ほんの少しでも魔力が高まってしまえば紅龍の周り一帯は火の海にでもなりそうなほど…
紅「………オレは…
オレは、信哉から離れねーからな
オレと信哉を離そうとするのなら、オレはどこであろうと誰に対しても、遠慮なく力を使う
だから、よく覚えとけよ…?」
紅龍はまるで、心の奥深くまで恐怖が根付くようにそう言うと目を閉じ、フラッ とまたその身体が倒れる
その身体をまたリンが慌てて抱き止めた
~リンside end~
信哉「…ぅ……ん…?
ぁれ…?」
リン「シンヤ、大丈夫っ!?」
信哉「ん………
オレ…?」
信哉は何故いきなり意識が途切れたのか分からず、頭の上に沢山のクエスチョンマークを浮かべる
信哉「オレ、今…?」
リン「シンヤ…?
さっきまでの事、憶えてないの…?」
リンが恐る恐る聞いてくるが、信哉にはさっぱりわからない
さっき………?
何があったのだろうか…?
信哉が頭上に疑問符を浮かべているとギンゼスがやんわりと誤魔化す
ギンゼス「リン、余計な事は言わなくて良い
シンヤ、何も気にせんで良い
たぶん、貧血だろう?
気にするな
さぁリン、シンヤが予言の子だと思う理由を…」
リン「ぁ…
はい…」
リンは信哉に何か言いたそうだったが、ギンゼスが有無を言わせない様な言い方だったため、リンは不承不承といった感じで信哉へと問うことを止めた
だから、信哉もリンに先程何があったのか問うのは躊躇われた
何だったのだろう…?
疑問はあるが、ギンゼスに先に進めるよう促されたリンが、信哉を予言の子だと思った理由を口にする
リン「それは………
それは、シンヤが紅龍の能力を持っているからです
翠龍様の予言は
“ルミリア国付近にて紅龍の能力を持った少年が現れる”
そして、この予言の中の少年とは、シンヤの事を言っていると見て間違いないと思うからです
私は………
私は、シンヤが予言の子だと思いたくはなかったのですが……………
やはり、そうかと………」
リンの声は、最後には震えていた
同じようにリンの肩も震え、表情は俯いているため窺い知ることは出来なかったが、どこかやるせなさが漂っていた
………オレが、予言の子…?
翠龍様………?
どういう事なの…?
また、解らないことに困惑する信哉だったが、確かにその予言の事やらは恐らく自分の事だろうと何となく察しがついた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます