来ちゃった

第12話

フラフラと歩くリンは見ていて、心配になる


力を使い過ぎたのだろうか?


途中で倒れたりしないかとても心配だ




信哉「ねぇリン、大丈夫…?」


リン「……………」


信哉「………リン?」


リン「ぁ、うん、何?」


信哉「…大丈夫?」


リン「うん、大丈夫だよ?」


信哉「………そう?」




一応の受け答えはしてくれたが、どこか心ここに在らずなリン


そんなリンとの道中に会話など特になく、2人の間には沈黙が降りた


そして、結構な距離を歩いた後、立ち止まりその沈黙を破ったのは、リンだった




リン「シンヤ、此処だよ」




その一言でどうやら目的地に着いた様だと、理解する


何処についたのか確認するために前を見ると、目の前には城みたいな建物があった




信哉「……………お城みたいだね…?」


リン「うん、お城“みたい”じゃなくてそうなんだよ?」




信哉の問いにリンは然り気無く爆弾投下した


リンの応えに信哉は驚く




信哉「え!!?


お城って、なんで?」


リン「………シンヤにね、会ってもらいたい人がいるの


来て?」


信哉「………うん…」




明確な答えは貰えないまま、お城の門番の人へと話しかけるリン


リンはこのお城の関係者なのかな…?


門番の人に名前と、十字架のついたネックレスを見せると、全身と持ち物の検査をしてから、中に入れてもらえた


因みに信哉唯一の持ち物だったスクールバック等は没収された


なんか、メンド臭いなぁ…


リンの行く所に信哉は黙って付いて行く


入り組んだ城内をしばらく歩き、リンは一際豪華な大扉の前で立ち止まり、信哉へと振り返る




リン「シンヤ、此処では絶対に炎を出さないでね?」


信哉「………?


ぉ、おぅ…?」


リン「じゃぁ、行こっか」




リンからにっこりと綺麗に微笑まれ、思わず見惚れてしまうところだった


が、次の瞬間リンが大扉を開けた


ギィィィィ…


重々しい音をたてながら大扉はゆっくりと開かれていく


そして、その大扉の向こう側を見て、つい感嘆の言葉が漏れる




信哉「………おぉ…」




信哉は、ポカンと自分の口が開いていくのが分かった


でも、その開いた口を閉じきれなかった


何故なら、あの大扉の向こう側が本当に凄かったからだ


あの大扉の向こう側は、豪華の一言に尽きる


玉座に向かって敷かれた真っ赤なフカフカの絨毯


天井には、豪華なシャンデリア


玉座の奥には王様や王妃様と思しき、大きな肖像画


ただの一学生の信哉にはお目にかかれない部屋を眺めていたら、玉座に座っている、銀色の髪の若い男性に声を掛けられた


玉座の後ろの肖像画と瓜二つ…というよりも本人のようだ




?「リン、それと、ジンボ・シンヤと、言ったかな?


こちらへ…」


リン「はい、ギンゼス様」




………?


ギンゼス様…?


ギンゼス様って、たしか、この国の王様の…?


リンが中へ入って行くので、大量の疑問符を頭上に浮遊させながらも信哉もとりあえず、リンに付いて行った

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