第11話
少しでも会話が続いたことで安堵した信哉はリンに提案を出す
信哉「ねぇ、ライドを家まで連れてってあげようよ?」
リン「ぁ、そうだね
シンヤ、ライド持てる?
能力使って、疲れちゃった…」
信哉「そっか…
じゃぁ、オレが運ぶから、ライドの家まで案内してくれる?」
リン「うん、良いよ」
リンにライドの家までの案内を頼むと快い返事が貰えたので良かった
ここで断られていたらもう信哉にはどうすることも出来なかっただろう
リンから承諾を得た信哉はライドの傍でかがむ
ライドは、リンがある程度の治療をしてくれているので、今は出血していないが、たしか傷は深かったはずだ
あんまり動かさない方が良いだろう
そう判断した信哉は、ライドをゆっくりお姫様抱っこで抱き上げた
………意外と重い…
リン「大丈夫?
こっち、付いて来て」
リンの問いに大丈夫と頷き、信哉は後を追った
~ライドside~
なんか、良い匂いがする
フワフワと…
気持ち良い…
何の匂いだろう…?
爽やかで、ちょっと甘い感じだけど
嫌味な甘ったるさはなくて、気持ち悪い様なもんじゃない
なんか、良い匂い…
この匂い、好き…
~ライドside end~
ラダ森を抜けて、2,30分ぐらい歩いてからライドの家に着いた
リン「鍵開けるからちょっと待ってね」
信哉「おぅ、できれば早めにして欲しいかな」
リンの言葉に苦笑交じりに応えると、クスリと小さく笑われてから、ライドの家の鍵を開けてくれた
リン「奥の部屋がライドの寝室になるから、ベッドの上に置いといて」
信哉「モノ扱いですか…」
信哉の小さなツッコミはスルーして、リンはライドの寝室のドアを開けてくれた
とりあえずライドを寝室のベッドの上にそのまま乗せる
ライドの部屋だからだろうか、ライドの匂いがする…
何か、気分が落ち着く…
リン「シンヤ、ちょっと…良い?」
不意にリンに呼ばれた
何だろう…?
心当たりは特には思いつかなかったものの、信哉はとりあえずリンに付いて行った
リンは、ライドの家の外まで出て行く
どこまで行くつもりなのだろうか?
疑問に思いつつリンについて行くと、広い小さな丘みたいな所に出た
目的地に着いたのだろう、リンが歩みを止めこちらに振り返る
リン「シンヤ…
シンヤはどうやってあの森に入ったの?
あそこは………ギンゼス様の特別な許可がないと入れないはずなんだ
どうやって入ったの?」
信哉「………どうやってって…
オレにも解らない……
オレは、あの森とは全く別の場所にいたはずなのに、いきなり気を失って…
気付いたら、あの森にいたんだ………」
リンに自分の解る限りホントの事を正直に言った
すると、リンの顔から血の気が引き、青くなっていく
リン「………」
信哉「………?
リン、どうかしたの?」
リン「シンヤ…
シンヤに来て欲しい所があるの…
来て…」
フラフラとリンはライドの家やラダ森とは違う方へ歩いて行く
信哉は色んな疑問を抑え、とりあえずリンの後を追った
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