第2話 豪遊

親父・バルタザールが俺の部屋にやってきた。


「おいガビ、魔王様に呼ばれていたようだが何かあったのか?」


「ああ親父。

 格闘大会でサリオンに勝っちまっただろ。

 それで、あんまり大きな顔して威張り散らすなよって注意を受けたのさ。

 魔王の息子より中ボスの息子が強かったらメンツ丸つぶれだし、仕方ないよな。」


「なるほどな。

 俺の首が飛ばないか、ひやひやしたぜ、まったく。

 運が良くてサリオン君に勝っただけだ、あまりおごるなよ、ガビ。」


親父も俺の真の実力は知らない。


知っているのは魔王ゾル=ゴナスのみだ。


「しかし、お前のその部屋はなんだ。

 そんな高級な代物、渡しているお小遣いでは買えんだろうて。」


俺は魔王からもらった大金で高級な家具を一式そろえたのだ。


これで、女の子を部屋に連れ込んでも恥ずかしくない。


「魔王様から、格闘大会優勝のお祝いをもらったんだよ。」


本当は口止め料的な金だが、テキトーにごまかした。


「ほう。金をくれるとは、魔王様も丸くなられたもんだ。」


親父は続ける。


「して、その隣の女の子は?

 見ない顔だねえ。」


「ああ。最近有名なモデルの一人娘のシンシアさ。

 母親が美人だ。この子もきっとイイ女になるぜ。

 まあ、許嫁(いいなずけ)みたいなものさ。」


「な、なんと!

 お前、まだ5歳だよな!?

 女の子を部屋に連れ込むとは、ませたガキだ。」


「まあいいだろ親父、俺も将来は魔王軍幹部。

 許嫁の一人や二人いたっておかしくはないだろう。」


「ま、まあいいだろう。

 それと、女の子には優しくな!」


「へいへい。」


「まったく、親の顔が見てみたいものだ・・・。

 って、俺なんだがな・・・。」


親父がそういうのも無理はない。


なんたって、中身は26歳で死んだ日本人なんだからよ。


しかし、こんな5歳児の女の子より、おれはもっと年上の女がほしいぜ。


魔王に頼むか。


そうして、俺は魔王のもとへ向かった。


「おい魔王様。」


「な、なんだガビ?」


魔王のみぞおちには未だに大きな穴が開いていた。


俺がカタストロフィでぶち開けた穴だ。


まだ回復には至っていないらしい。


「魔王様がよこした女、若すぎるんだよ。

 もっと、20歳前後の女をよこしてくれ。」


「ほう。まあいいが・・・。

 お前、ほんとに5歳児?」


「まあな。精神年齢が高すぎるんだよ、俺は。」


そうして、魔王は俺にぴちぴちギャルをよこしてくれた。


俺は、自分の部屋に用意した玉座に座り、まわりにぴちぴちギャルたちを侍らせた。


胸をもみもみ・・・。


両ほほに胸がぼいんぼいん・・・。


ああ、なんて幸せなんだ。


ガチャっ


急にドアが開いた。


「何しとるかーーー!」


親父だ。


「う、うらやましい・・・。

 コホン、ではなかった。

 お前、中身がおっさんすぎる!

 なんてませたガキだ!

 そんなぴちぴちギャル、お前にはまだ早い!」


「いやあ、魔王様からのプレゼントなんだ。

 断るわけにもいかないだろう?」


「うーむ、魔王様がプレゼントとはこれまた珍しい。

 ならば仕方あるまいか・・・。」


親父はまだ納得していない様子だが、現状を無理やり飲み込んだ。


なお、モデルの娘・シンシアにはおかえりいただいた。


俺にはロリコンの趣味はない。


「それよか親父!

 今度部屋にはいるときはノックくらいしろよな!」


「はいはい、わかりましたよお坊ちゃま。」


父バルタザールは、息子の成長ぶりに、誇らしさとともに寂しさを感じるのであった。


さて、親父もいなくなったことだ。


ぴちぴちギャルとの楽しい時間の再開だ!


俺とギャルたちは全裸になり、俺は全身のありとあらゆるところにホイップクリームを塗りたくった。


「さあ、ギャルたちよ、俺の身体に付いたクリームをぺろぺろと舐めてくれたまえ!」


俺がそう言うと、ギャルたちはいやらしくぺろぺろとクリームをなめとった。


あまりのテクニックに俺は5歳児にして精通を果たしたのであった・・・。


と、その瞬間・・・。


ガチャっ!


「お、親父!ノックはしろとあれほど・・・。」


「きゃーーーーーー!!!」


って、部屋に入ってきたのは親父じゃない。


シンシアだった!


「シンシア?どうした?

 故郷に帰ったのではないのか?」


シンシアは悲鳴を上げた。


無理もない、俺とギャルたちは全裸だったのだから。


5歳児のシンシアにはまだ早すぎる光景。


シンシアにとって、悲鳴を上げるので精一杯だったのだろう。


「シンシア、落ち着いてくれ。

 これはちょっとした大人の遊びさ。」


バチンっ!


俺はシンシアに平手打ちを食らった。


シンシアはそのまま部屋を飛び出してしまった。


ギャルたちとのプレイもひとしきり終わり、部屋を片付けていたら、なにか光るものを見つけた。


あ!


これはシンシアがつけていた髪飾りだ。


彼女はこれを取りに俺の部屋に戻ってきたのだろう。


しかし、俺とギャルたちに驚いてそれどころではなかったのだ。


シンシアに髪飾りを返さなきゃ。


俺は必死で追いかけた。


見張りの兵士がいたので尋ねる。


「おい、シンシアはどこにいる!?」


「おお、ガビ坊ちゃま。

 シンシア殿でしたら、もう城を出て故郷に帰られましたぞ。」


間に合わなかったか・・・。


いつか会うときがあれば、返さねばならんな。


---


そして年月は過ぎ、13年後・・・。


俺は18歳となった。


俺はめきめきと力を付けていた。


あの頃、魔王と対峙した時。


魔王が油断したおかげで、俺は勝てた面もある。


しかし、今なら正々堂々と魔王と闘っても余裕で勝てるだろう。


さて、例の格闘大会が今年も開かれる。


18歳になった俺は、ようやく大人の部に出ることができる。


大人の部には魔王も参加する。


当然、歴代優勝者はずーーーっと魔王だ。


だが、ここに俺が参加したらどうなるか・・・。


ワクワクするだろう?


俺が魔王よりも強いことが知れれば、次の魔王は俺になるに決まっている。


俺の野望が叶うのだ。


<作者あとがき>


次回、格闘大会予選で無双しまくり!?


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