第3話 大舞踏壊 序

 20m程吹き飛んで壁に激突。すっかり当たり前になっていたけど治安維持隊わが家の敷地は広いんだよな。


「っち、お前の攻撃は異能じゃないから感知しづらいんだよな。いてて。」


 そう、僕の使った魔弾バレット障壁シールドは能力じゃない。異能とは力の源が違う。術式を描いて魔力を流し発動する。そして、魔夜が言うには『魔力は生命力由来の物。異能の力オーラは存在力、主人公補正みたいなものかな。』t力の源が違う。


「そう言っときながら無傷じゃないですか。」


 だからって、こうも僕と先輩に差が生じるか?僕が魔夜からの攻撃を防いでも少しは怪我したぞ。


「じゃあ、こっからは本番だ。」


朱兎先輩は棒立ちだがほとばしらせているオーラから隙を感じない。


「そんなにオーラ駄々洩れでガス欠しませんか。」


「問題ねえよ。」


 先輩はバカだからな。嘘はつかない。というかつけない。だから、この発言は本当なんだろう。


「真っ赤な嘘よりも、真っ青な真実の方がたちが悪い。」


 僕が勝つには短期決戦、瞬間火力勝負をするしかないか。


「死なないでくださいよ。」


 両手を合わせて、それを左右に開きながら方陣を七つ展開。両方の手袋に魔力を込め、方陣を押しつぶして一つにする。準備は出来た。発動する。


強化ブースト二倍ダブル七重掛けセプテット


 魔術で身体強化を施してぶっ飛ばす。だけど、身体能力が128倍。肉体が耐えられないから、短時間しか使えない。


「せっかちだなぁ。お前はよお。」


 10年以上も一緒に過ごしてんだ。互いの性格は熟知している。まあ、正面から突撃、、、、、、からの。


「喰らえ。」


 先輩の左後方、俺から見て右上空に跳躍。障壁シールドを足場にしてもう一度跳躍。これで決める。


障壁シールド籠手ガントレット、、、、、、」


 拳に纏わせて、殴りつける。衝突の瞬間に


崩壊バースト


 まぁ、これは障壁シールド破棄バッシュに指向性を持たせただけなんだけどな。完璧に決まった。そう思った。けど、手ごたえが。僕の渾身の一撃は先輩の左蹴りで受け止められた。


「お前の攻撃は能力じゃない。だから感知できない。けどな、ソナーって知ってるか?」


 オーラ垂れ流しの理由はこれか。けどよお、先輩がそんなにインテリだと思わないじゃないか。格闘オンリーの脳筋が考え付くなんて。・・・・・・白夜さんの入れ知恵か。


 先輩は右足を軸に回転して衝撃を逃がす。しくじった。当然のスローモーション。バランスを崩した僕に先輩の右回し踵落としが突き刺さる。・・・・・・、ここまでか。


仮人迫命ヒトデナシバグ

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