第19話
そう何度も鳴らさないでよ。
若干苛立ちながら、ドアスコープを覗くと。
「えっ!?」
何で玲央くんが居るの!?!?
目を瞬いて、もう一度確認したけどそこには変わらず玲央くんがいる。
ひっと悲鳴をあげそうになるのを手で口を塞いでしゃがみこむ。
ど、どうして私の家を知っているの……?
有り得ない状況にバクバクとなる心臓と冷や汗が出てしまう。
どうすべきなのか分からず、立ち上がることも出来ずにいると。
「里奈。そこにいるんだろ? 俺は里奈のお姉さんに伝言を頼まれたんだ」
(え……? 私のお姉ちゃんから……?)
何でお姉ちゃんが玲央くんに伝言を頼むのかと怪しむべきだったのにこの時は、この有り得ないハプニングにそんな余裕も無かった。
「だから、ここ開けてくれない?」
ガチャガチャとドアノブが音を立てられる。
お姉ちゃんから伝言を頼まれているのに、開けないわけにはいかなくて。
つい玄関を開けてしまった。
ーーー後悔するはめになるというのに。
「……っ、あ……の……」
玄関を開けた先に、薄らと微笑んだ玲央くんが立っていた。
いつもと違って私に向ける視線が甘いようなことに気づき、ビクッと身体を跳ねらせる。
「開けてくれてありがとう里奈」
「あ……」
何で私の事を呼び捨てなんて…………。
笑みを浮かべる玲央くんに寒気が走ると、腕を掴まれた。
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