第八章 記憶にない工藤飛鳥
第67話
私は夢を見ていた。
誰だかわからない、だけど、私を抱きしめて、まゆって囁いている。
あなたは誰?
お前を愛している、マジだ。
顔を覗き込むけど、顔がはっきりわからない。
その内、その男性はその場から去っていった。
待って!
叫ぶけど、その男性はどんどん私から離れていく。
遠くでまゆ、まゆと誰かが私を呼んでいる。
私は目を覚ました。
「まゆ、大丈夫か」
私を覗き込んでいたのは祐志さんだった。
「祐志さん」
「よかった、ずっと眠ったままだったんだ」
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