第64話

どう言うこと?


「不思議そうな顔してるが、深海まゆだよな」


「そうです」


「あんたには、なんの恨みはないが、工藤に恨みがあってな」


工藤さん、私が工藤さんの女だから、捕まえたんだ。


心配は的中した。


「俺は高山組組長、高山陣だ、どうしても工藤が許せねえ、だから、

あんたを捕まえて、奴を誘き寄せるんだ」


「あのう、私、工藤さんの女じゃありませんよ」


「嘘言っちゃあ困るな、お嬢さん」


「嘘じゃありません、私じゃ、工藤さんはのこのこ来ないと思いますよ」


「試してみればわかるさ」


その男性は電話をかけた。


しばらくして、工藤さんがやってきた。


「高山、てめえ、どう言うつもりだ」


「このお嬢さんが、お前の女じゃないと言うんでね、お前さんに聞こうと思って」


「確かにその女は堅気の娘だ、俺の女じゃねえ」


「そうか、それなら」


その男は工藤さんをロープで縛り動けなくした。

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