第63話

私は工藤さんが気になっていた。


よくはわからないが「表向きは俺の女ってことだからな」って言っていた。


借金は祐志さんが払ってくれたが、そのことを誰も知らない。


私が工藤さんの元を引き払った事実も、誰も知らない。


と、言うことは、私はまだ、工藤さんの女ということなのか。


そんなことを考えながら、夕飯の買い物をしていると、不審な車が私の横に停まった。


私は急に車に押し込められて、またしても連れ去られた。


お腹に一発パンチを受けて気絶した。


目が覚めると、倉庫みたいな建物に、数人の男達が私を取り囲んでいた。


その中の一人が、私に声をかけた。


「やっとお目覚めか」


この人、ヤクザだ。


私、またヤクザに捕まったの。

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