第39話

「なんでそんなことまで知ってるの?って顔してるぜ」


嘘、この人、心が読めるの?


「こっちは全て調べ済みなんだよ」


「祐志さんは、私の恋人ではありません」


「そうか、じゃあ、この身体で払ってもらおうかな」


「あなたばかり、私のこと調べて、私にもあなたのこと知る権利あると思うんですが」


「おお、それは失礼したな、自己紹介まだだったよな、俺は工藤組若頭、工藤飛鳥だ」


やっぱりヤクザなんだ。


と言うことは、お父様が借りたのは闇金。


つまりほとんどが利子だろう。


「元本はいくらですか」


「はあ?元本?そんなの知らねえよ、とにかく多額の借金ってことだ、お前を品定めしてやる、お前ら、表に出てろ」


若頭の指示で周りの男達はドアの外に出た。


「さてと」


若頭、工藤飛鳥は私に荒々しいキスをした。


身動き取れない私は受け入れるしかなかった。


首筋に工藤飛鳥の唇が這う。


頭がくらくらしてきて、お兄様に押さえつけられた記憶が蘇った。

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