第36話

私がお兄様のことを受け入れてしまったから。


お兄様に犯された私を抱けるわけがない。


そして、このまま、私がここにいたら、祐志さんはお父様からお金をむしり取られてしまう。


私はすぐに荷物を整理し始めた。


早く、ここを出ていかなくちゃ。


私はマンションを後にした。


俺は仕事がおわり、まゆの待つマンションに急いだ。


部屋に入るとまゆの姿はなかった。


まゆ、どこに行ったんだ。


リビングのテーブルの上にメモが置いてあった。


『祐志さん、お世話になりました、他の男に抱かれた私を側においてくれて、結婚しようとまで考えてくれたこと嬉しく思います、でも、私はお兄様に犯されてしまったんですね、そんな私をどうして許せるんですか、それに私が祐志さんの側にいるとお父様は私を頼ります、これ以上私と関わると、祐志さんに迷惑がかかります、優しくしてくれて感謝いたします、祐志さんが大好きです』


まゆ、どうして勝手なことをするんだ、きっと親父さんが金を都合つけてくれとでも言いにきたんだろう。


それにまゆは間一髪だったんだ、犯されてなんかいない。


とにかく、俺はまゆを探すためマンションを後にした。

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