第四章 突きつけられた真実

第33話

いくら戸籍を抜いたからと言っても、世間は甘くない。


深海不動産はあっという間に倒産した。


身内に警察に逮捕されたものが出ては、取引先も銀行も撤退した。


まゆにはなるべく、隠し通そうとしたが、ある日事実を知ることになった。


「祐志さん、父の会社は倒産したのですか」


「ああ」


「お兄様が薬物で逮捕されたんですね」


「あいつは、もうお前の家族ではない」


「どう言うことでしょうか」


「親父さんが戸籍から抜いたんだ」


「そうなんですか」


まゆは俯いていた。


「まゆは何も心配することはない」


「祐志さんはなんで私にそんなに優しくしてくれるんですか」


「それは……」


「私は祐志さんにお見合いを阻止しようとして、恋人の振りを頼みました、でも今となってはそれも必要無くなりました、私はここにいる理由がありません」


「理由ならあるよ、まゆ、俺と結婚してくれ」


「えっ」

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