第八章 二人を引き裂く罠

第50話

祐くんを学校まで迎えに行った。

そして帰り一緒に夕飯の買い物を済ませた。


「凛ちゃん、久しぶりだね」


祐くんはニッコリ微笑んで私を見つめた。


「そうだね、お祖母ちゃん元気?」


「うん、元気だよ、でも最近パパから連絡なくてお祖母ちゃん心配してるよ」


「そうなんだ、パパお仕事忙しいみたいよ」


「へ〜、凛ちゃんはパパと会ってないの?」


「昨日会ったよ」


「そうか」


まるで全てをわかっているかのように納得していた。


「凛ちゃん、パパと結婚しないの?」


「どうしてそんな事聞くの?」


私は動揺を隠し切れずにいた。


「パパは凛ちゃんが大好きだけど、凛ちゃんはどう思ってるかわからないから、パパが聞きたい事を僕が代わりに聞いてあげようと思って」


私は目をパチクリしてしまった。


「パパの事大好きよ、ずっと一緒にいたいって思ってる」


「そうか、パパ、それ聞いたら喜ぶよ」


二人でニッコリして手を繋ぎ、アパートに向かった。


次の日祐くんとゲームセンターに遊びに行った。

その夜お祖母ちゃんの元に届けて、また遊ぼうねと約束をした。


私は彼の体調が気になり、マンションへ急いだ。

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