第37話

「凛、俺と一緒に暮らさないか」


「えっ?」


私はびっくりし過ぎて、次の言葉が出てこなかった。


「そんなに驚く事じゃないだろう」


「でも、いろいろな事が一片に起こったので頭が回りません」


彼は私を引き寄せて抱きしめた。


「じゃあ、まず引越しだな」


「でも、祐くんはどうするんですか」


彼はしばらく考えて、言葉を発した。


「凛と二人がいいな」


彼の言葉にドキンと鼓動が跳ね上がった。

次の瞬間彼は苦しそうに顔を歪めた。


「大和さん、大丈夫ですか」


「大丈夫、心配いらない」


私はドキドキと心臓の鼓動が早くなり、死への恐怖が強くなった。

手が小刻みに震え、涙が溢れて来た。


「凛?」


「ごめんなさい、大和さんの方が大変なのに・・・」


私は彼の苦しそうな顔を見ただけで、完全に取り乱してしまった。


「あの、私、帰ります」


そう言って、ドアの方へ歩き出した。

彼は慌てて後を追って私を背中から抱きしめた。


「凛、行かないで、俺の側にいてくれ」


そして私を自分の方へ向かせて唇を重ねた。

彼の舌が私の唇の隙間から入り込み、あっという間に私の舌を絡みとった。

壁に押し付けられて、彼の手が私の太腿を捉え、股の間に彼の足が入り込み、あっという間に一番感じる部分に触れた。

頭で駄目と思いながら、身体は感じていた。

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