第32話
そして火曜日大和さんと会う約束をした。
十時に私のアパートへ彼は迎えに来てくれた。
「凛、元気だったか」
彼は私をじっと見つめた。
私は恥ずかしくなり俯いたまま「はい」と返事をした。
「そうか、俺は凛に振られて死んでたよ」
「まさか、からかわないでください」
彼は私の困った表情に不敵な笑みを浮かべ楽しんでいる様子だった。
そして車の助手席のドアを開けてくれた。
私は助手席に座り、彼が運転席から車に乗り込むと、いきなり質問を浴びせた。
「凛、彼と結婚するのか?」
私の心臓がドキンドキンと鼓動が早くなるのを感じた。
どう答えていいかわからず困っていると、彼は私の腕を引き寄せ抱きしめた。
「凛、彼と別れて俺と結婚してくれ」
私は彼に抱きしめられながら思い出した。
そうだ、幸せに出来ないとはどう言う事なのだろうと聞くんだったと・・・
「大和さん、大和さんと結婚しても私幸せにして貰えないんですよね、どう言う事ですか」
彼は私の身体を離し、深呼吸をした。
「凛、落ち着いて聞いてほしい」
そして彼は自分の置かれている立場と病気の事を話し始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます