第31話

私は大和さんの連絡先を削除しようと何度もスマホを開く。

やっぱり駄目だ、もう連絡出来なくなると思うとどうしても勇気が出ない。


私、大和さんが好き。

でも彼は本気じゃないから私の傷がまた一つ増えるだけ・・・


その時スマホが鳴った。

スマホの画面には大和 颯の文字。

えっ?大和さん、どうしよう。

そのうちスマホは切れた。


そしてメールが送られて来た。


『凛、俺と結婚してくれ、俺との結婚に踏み切れない理由は俺にあるとこの間言ってただろう?俺の何処が駄目なのか言ってくれ、凛が俺と結婚してもいいと思える様に努力する、だから彼と別れて俺の所にこい』


大和さんの駄目な所なんてないのに、駄目なのは私だよ。

私が自信ないだけ、過去の恋愛が上手くいかなかったから 大和さんとも上手くいかないと思い込んでる。


また大和さんからメールが送られて来た。


『凛、会いたい、俺じゃ凛を幸せに出来ない事はわかっている、でも、どうしても諦め切れない、他の男に渡したくないんだ』


幸せに出来ないって、どう言う事?

普通はプロポーズは幸せにするでしょ?

私はつい返信をしてしまった。


『大和さんと結婚したら不幸になるんですか』


『俺と結婚してみればわかる』


どう言う事だろう、知りたい、聞きたい、そんな気持ちが大きく膨れ上がり、私は大和さんと会う約束をしてしまった。

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