第五章 俺の気持ちを受け止めてくれ

第29話

月曜日がやって来た。

明日は彼のマンションに行く約束の日、あ〜どうしよう。

その時スマホが鳴った。

菜々美からだった。


「菜々美?仕事は?」


「今は昼休み、あまり時間無いから簡潔に報告して」


私は深呼吸をして話し始めた。


「先週食事に行きました、そして明日彼のマンションに行く事になっちゃいました」


電話口で菜々美の大きなため息が聞こえて来た。


「凛、行っちゃ駄目よ、遊ばれてそれで終わりよ」


「わかってる」


「これ以上深入りしたら戻れなくなるわよ」


「ちゃんとお断りします」


スマホは切れた。

その夜、スマホが鳴った、大和さんからだった。


「凛?遅くにごめんね、明日、十時位に凛のアパートに迎えに行くから」


彼の声にドキンと鼓動が跳ね上がった。

駄目、駄目よ、断らないと。


「明日用事が出来てしまって、行けなくなりました」


「彼とデート?」


「そ、そうです、この間連絡しないですっぽかしてしまったので、怒られてしまいました」


「そうなんだ」


「あのう、もう合わない方がいいと思うので、私の連絡先削除してください、じゃ」


私は彼の返事を聞かないうちにスマホを切った。

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