第14話

「そしたら、電話かかってきて、そのデートの回数分カットやカラー無料でやるよって」


「それで無料にのせられてドライブデートしたって事」


「うん」


「最後までいっちゃったの?」


「やだ、昨日はキスもしてないよ、二人じゃなかったし」


「はあ?どう言う事」


「大和さんバツイチ、子持ちで、六歳の男の子一緒だったの」


「ねえ、そのプロポーズ、凛にその子供押し付けて遊びたいだけじゃないの」


「やっぱりそうかな」


「あっ、ベビーシッターやりますって言って代金踏んだくってやれば」


「ひどい、かわいそう」


「何言ってるの、都合のいい女になっちゃうよ」


「もう、カラーやってもらったらやめるよ」


「そうよ、若きイケメンカリスマ美容師がアラフォー相手に本気な訳ないでしょ、凛、目を覚ましなさい」


「わかってる」


「わかってないから言ってるんでしょ、忘れたの?また泣きを見るのは凛なのよ」


「もう、そんなにワーワー言わないで」


「いい、カラーやって貰ったら、きっと次のデートの誘いがあるから断るのよ、いい、わかった」


「わかった」


私はちゃんと断ろうと思いながら、もし誘われたら断る自信がなかった。

彼の一言一言が私の心に残り、忘れる事が出来ない位、彼に惹かれていた。

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