第12話

私は親友の菜々美に誘われて食事をする事になった。

相談してみよう、私は菜々美の意見を聞いて見ることにした。

菜々美は結婚して旦那さんと二人暮らし、子供は不妊治療中で、私と同じ歳だからそろそろ諦めムードのようだ。

私と違う点はバリバリのキャリアウーマンである事。

いつもお金が無いニートの私にご馳走してくれる、心優しい親友である。


待ち合わせ場所で私を見つけた菜々美の第一声は「どうしたの?その髪、すごくよく似合ってる」


「美容院行ったの」


「それは見ればわかるわよ、くじでも当たったの?」


「まっ、そんなとこかな」


私は菜々美にどう話せばいいか迷っていたが、順番に話し始めた。


「この間、スマホを拾ったの、それを持ち主に届けて、持ち主が美容師さんで、お礼にカットしてもらったの」


「凛、私達何年の付き合いだと思ってるの?それだけじゃないわね」


ドキッとした、菜々美には隠し事出来ない、昔からそうだったな。


「白状しなさい」


「もう、菜々美は怖いなあ」


「まず、何処の美容室?」


私は覚悟を決めて話を始めた。


「渋谷のフェニックスって言う美容室」


「渋谷のフェニックスね」


「ねえ、凛、この美容室カリスマ美容師がいて、若い女性にすごい人気で、予約取れないみたいよ」


「そうなんだ」


「そのカットやってくれた美容師の名前は?」


「大和 颯」


「大和 颯?」


菜々美は驚きを隠せなかった。

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