第4話

私はなんとかうちに着いた、でも何も考えられなかった。

しばらくしてスマホが鳴った。

誰?今頃、今日は私の頭働かないのに・・・

そしてスマホの画面を見た、大和 颯?

誰?なんで登録してあるの?

恐る恐る電話に出た。


「もう八時過ぎてるけど、今何処?」


「うちですけど・・・どなた様ですか?」


「はあ?うち?俺を待たせるとはいい度胸してるじゃねえか」


何?どう言うこと?私約束してたの?いつの間に?しかも見ず知らずの人と?


「これから行くから、住所教えろ」


「あのう、私約束していませんけど・・・」


彼は電話の向こうで呆れた感じで大きなため息をついた。


「凛、お前は俺と食事の約束をしたんだ、店が八時に終わるからその後食事しようって」


頭の中がぐるぐると周りだし、段々と記憶が蘇って来た。

そう、私はスマホを拾って美容室に届けて、あっキスされたんだ、顔が真っ赤になるのを感じた。

電話の相手は、あのめっちゃイケメンのカリスマ美容師。


「おい、聞いてるのか」


「はい、でも今日はお断りします、すみません」


とてもじゃないけど、これから支度して出かけるなんてありえない。

しかももう恥ずかしくて、顔を合わす事なんて出来ないよ。


「何言ってるんだ、俺の誘いを断るのか?」


「もう、放っておいてください、お礼は結構ですから・・・」


彼は少しの間黙っていた、何か考えていたのだろう。

次の瞬間、とんでもない事を口にした。


「わかった、それなら礼は食事ではなく、俺がこの先凛の専属美容師になってやる、有難いと思え」


「だから、結構です、おやすみなさい」


私はスマホを切った。

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