第2話

渋谷駅に到着した。

え〜っと、左の路地を少し入った所のフェニックスと言う美容室?

あっ、あった。

私はドアを押して店内に入った。


「いらっしゃいませ、ご予約のお客様でしょうか」


「あっ、違います、あのう、スマホを届けに来たんですけど・・・」


「あ〜っ、少々お待ち下さい」


しばらくして一人の男性がやって来た。

めっちゃイケメン、かっこいい、私はしばらく見惚れていた。


「涼風 凛さん?」


「あっ、そ、そうです」


「お忙しい所ありがとうございます」


「いえ」


なんてかっこいいの?この世のものとは思えない位目鼻立ちが整っている、ずっと見ていられると思った。


「あのう、スマホいいかな」


「あっ、そうでした、スマホ、スマホ」


私はバッグをガサガサと引っ掻き回した。


「ポケットに入ってるのがそうだと思うけど」


「えっ?ポケット?」


私はポケットに手を突っ込んだ。

あった、スマホ。


「すみません、ありました」


私はそう言って彼にスマホを手渡した。


「ありがとう」


彼は笑いを堪えている様だったが、耐えきれず大声で笑った。


「ごめん」


「いえ」


「すっげー可愛い」


何この人?からかってるの?


「それ、失礼だと思います」


「褒めたんだけど、それ失礼なの?」


「もういいです、失礼します」


私は店のドアを押して外に出た。

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