第6話

「もしかして自覚ないのか、男は可愛い顔してる女にこんな事もしたくなるんだぜ」


そう言って、男性は私の唇にキスをした。


一瞬の出来事にかわす事が出来なかった、でも嫌じゃなかった。


私がぼーっとしてると「お前、隙だらけだから襲われるんだよ、しっかり自分の身は自分で守れ」と喝を入れられた。


確かにそうかもしれない、おっとりしている性格で、自分でも嫌になる事がある。


男性は私を抱きかかえたまま、車まで行き、私を助手席に座らせた。


「住所は?」


男性に住所を聞かれて答えた。


私の教えた住所をナビに入れて車は発進した。


「三十分位だから目を閉じててもいいぞ」


男性に促されて私はそっと目を閉じた。


しばらくして私は眠ってしまったようで、男性に声をかけられて目が覚めた。


「おい、着いたぞ、このアパートか?」


ハッとして見慣れた景色が目に飛び込んできた。


「痛い」

身体中に激痛が走る。


「大丈夫か」


「はい、大丈夫です、ありがとうございました」

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