第14話

でも質問をやめる事は出来なかった。


「あの、社長さんは三ヶ月ほど前、ニューヨークに行かれましたか」


「はい、仕事で十日ほど滞在致しました」


やっぱり、理樹さんだ。


「もしかして、理樹とニューヨークでお会いになったのですか」


「えっ?いえ」


もう完璧にしどろもどろになってしまった。


「あのう、自分は現在秘書を探しています、もしよろしければ、僕の秘書になって頂けませんか」


「はい?」


「急で驚かれたと思います、実は社長の秘書応募に若い女の子が殺到しまして、僕は若い女の子は苦手で、あっ、すみません、決してあなたが若くないってわけじゃなくて」


「大丈夫です、本当に私、若くないので、もう三十九ですから」


「えっ?見えないですよ、僕と同世代かと思っていました」


「副社長さんはおいくつですか」


「僕は三十です」


そういえば理樹さんの年齢聞いていなかったな。


副社長さんと同じ位かな。


「社長さんはおいくつなんですか」


「僕と同じ三十歳です」

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