第14話
雫が泣いているのが電話を通して伝わってきた。
なんで泣いているんだ、俺が原因なのか、俺とベッドを共にすることが、泣くほど嫌なのか?
朝出かける時、唇ではなくおでこにキスをした。
雫の唇にキスをすると、俺の気持ちが耐えられなくなるからだ。
でも雫は変な顔をしていたな、おでこでも俺とのキスは嫌と言うことか?
それともチビ助の父親を思い、泣くほど未練があるのか?
どうすればいい?
「すみません、お仕事中に電話して頂いたのに、私は大丈夫です、もう切りますね」
「待ってくれ、俺に出来ることはあるか」
「だ、大丈夫です」
「そうか、わかった」
雫のわがままはなんでも聞いてやりたい。
こんな気持ちは初めてだ。
大丈夫と言っていた雫がお願いがあると言い出した。
「出来ればでいいので、お仕事終わったらすぐ帰ってきて貰えますか?」
「わかった、すぐ帰る」
なんだ?俺に話でもあると言うのか?
まさか、契約を解除したいと言うことか?
嫌な予感が脳裏を掠める。
雫、俺の側に居てくれ、お前の為なら俺はなんでもすると約束する。
俺は仕事を終えると、雫が待つマンションへ急いだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます