第三章 すれ違う気持ち
第13話
連休が終わり週の始まり、彼は仕事に出かける。
「雫、何もしなくていいからな、ゆっくりしてろ」
彼は私を抱きしめて、おでこにキスをした。
なんでおでこ?もう私嫌われたの?
この時私は彼に唇にキスして欲しいって思った。
じっと彼を見つめて訴えるも彼は気づいてくれなかった。
こんなに男性を好きになったのは初めての事。
チビちゃんのパパは初めての経験の相手として選んだ。
でも彼への気持ちは特別、しかしこの愛は叶わない、彼とは契約の関係だから・・・
「いってらっしゃい」
「行ってきます、帰り電話するからな」
「はい」
彼の後ろ姿に伸ばそうとした手を引っ込めた。
駄目だよ、チビちゃんと二人で生きていけるように強くならないと・・・
つわりは思った以上に辛い。
お昼まで横になっていた。
スマホが鳴った、彼からだった。
「雫、大丈夫か?」
彼の声を聞いた途端、我慢していたきもちが溢れて、泣いてしまった。
「どうした?なんかあったか?」
「大丈夫です、私、泣き虫なんです」
彼に会いたくて泣いてるなんて言えない。
「泣き虫?泣いてるのか?」
「ないてません」
私は涙を堪えていた、彼に迷惑かかるから・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます