第12話
私はそっとベッドから起き上がり、キッチンへ向かった。
朝食位作らないと駄目だよね。
冷蔵庫を開ける、次の瞬間気持ちが悪くなり、その場に座り込んだ。
「雫?どうした?大丈夫か」
寝室から起きてきた彼が、私の様子に気づき、抱きかかえて、ベッドに運んでくれた。
「すみません、つわりの症状なんで大丈夫です、朝食作ろうとして冷蔵庫開けたら、気持ち悪くなってしまって・・・」
彼は安堵の表情を見せて私を見つめた。
「また入院かと思って心配したぞ」
「すみません、ご迷惑ばかりで・・・」
「大丈夫だよ、食事は作らなくていいから」
彼はニッコリ微笑んでくれた。
「産婦人科の検診、今度いつだ?俺一緒に行くから」
「えっ?」
私は思いがけない彼の言葉にキョトンとした。
「なんて顔してるんだ?」
彼は当たり前のような様子でこう言った。
「俺は雫とチビ助を守る為なら、なんでもするからな」
なんでそんなに優しいの?
振られるなんて信じられない、このままずっと無期限で彼の側で契約関係を続けて行く自信が無い
だって絶対好きになっちゃう。
もし彼に好きな人が出来て契約解消ってことになったら・・・
そんな事を考えるだけで、涙が溢れてきた。
私は既に彼に惹かれていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます