第5話

部長が私を気遣ってくれた。


後輩の恵美ちゃんもすぐに駆け寄って「静香先輩、大丈夫ですか」


と心配してくれた。


「もう、大丈夫よ、ちょっと体調崩しただけだから」


そこに真壁くんが近づいてきた。


私はすぐに経理部の部屋を出て、廊下に移動した。


真壁くんは私の腕を掴んで「ちょっと話がある」そう言って私を会議室に連れて行った。


会議室に二人きりになり、ドキドキが半端ない。


いきなり、真壁くんは「ごめん、静香の気持ち考えないで、俺ばかり突っ走って、反省している」そう言って頭を下げた。


「俺、いい加減な気持ちでキスしたんじゃない、静香と結婚したいと思ってる」


嘘!何を言ってるの?

「あのう、私の方こそ、すみませんでした、大人気ない行動を取ってしまって、しかも突き飛ばすなんて、本当にすみませんでした」


「ああ、全然気にしてないよ、それより、俺と結婚を前提にお付き合いをお願いします」


そう言って、真壁くんは手を差し出した。

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