第6話

私が躊躇していると「静香は誰かのものか」と私をじっと見つめた。


誰かのもの?私は誰のものでもないけど、強いて言えば、あなたがファーストキスの相手ですって言いたかった、ファーストキスの相手と結婚するってずっと思っていた。


「返事はゆっくりで構わないけど、誰かのものにならないでくれ」


私は返事が出来ないでいた。


「静香、今晩食事行こう、もう絶対に静香がいいって言うまで、キスしたり、抱きしめたりしないと約束するから」


「仕事中ですから、もう経理部に戻りますよ」


静香は会議室を後にした。


俺は仕方なく静香の後を追って、経理部に戻った。


昼休み経理部の部長に食事に誘われた。


「おい、真壁、昼食付き合え」


「はい」


俺は経理部の本郷部長と食事に出かけた。


「好きなもの頼め」


「ありがとうございます」

「なあ、お前、倉田にアタックしているようだが、本気か?」


「はい、本気です、結婚したいと思っています」


「なんだ、もう付き合いが始まってるのか?」

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