第3話

不動産会社に興味がないのだ。


大学はアメリカに留学した、自分で言うのも烏滸がましいが、成績は優秀だ。


アメリカに彼女はいたが、あまりにも俺が一途な為振られた。


俺は恋愛イコール結婚だ。


特に倉田静香先輩はドストライクだった。


年齢差は気にならなかった。


すぐ結婚していつも一緒にいたいと強い想いが溢れていた。


歓迎会の最中、俺は静香先輩を誘った。


「先輩、美味しい飯食うところ知ってるんで、付き合ってくれませんか」


「でも……」


「いいから」


俺は強引に先輩の手を引っ張って、その場を後にした。


駐車場に停めておいた俺の車で目的地へ車を発進させた。


俺の隣に先輩が座っている。


でも、会場ではあんなに笑顔だったのに、全く別人のように真顔だ。


「静香先輩?大丈夫ですか?」


返事がない。


俺は車を停車させて、先輩の顔を覗き込んだ。


「静香先輩」


俺の呼びかけにびっくりした様子で、俺の顔を見つめた。


その表情が可愛くて、俺はつい、キスをした。

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