第五章 龍斗の嫉妬

第41話

「龍斗さん、私はもう大丈夫なので、お仕事に戻ってください」


まどかがそう告げると、龍斗はまどかを引き寄せ抱きしめた。


そしてポツリとつぶやいた。


「奴のことがまだ好きなのか」


「えっ?」


「俺に黙って、会ってるのか」


「そんなことしてないです」


「まどかはいつでも大丈夫、大丈夫って、奴が側にいるから、俺は用済みってことか」


「違います」


今まで見たことがない龍斗の態度に驚きを隠せなかった。


「そうだ、俺とまどかは契約の関係だもんな、俺に愛情はないんだもんな」


この時まどかは何も言葉が出てこなかった。


龍斗は急に立ち上がり、まどかの腕を掴んだ。


「まどか、お前は俺の妻だ、契約している以上、奴と会うことは許さない」


「龍斗さん、痛いです、離してください」


龍斗はまどかの言葉で我に返り、まどかの腕を離した。


まどかは龍斗の態度に怖くて、涙が溢れた。


「あ、すまない、俺は……」


龍斗はまどかの涙にキスをした。


まどかはそっと目を閉じた。

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