第39話

龍斗はまどかの態度が気になったが、仕事に出かけた。


まどかは仕方なく、産婦人科に一人で出かけた。


健診が終わり、まどかは産婦人科のドアを開けて外に出た。


横断歩道で信号待ちをしていると、後ろからグイッと押された。


えっ?あっ。


まどかの身体は前に押し出されて倒れた。


そこに車が突っ込んで、急ブレーキでまどかは意識を失った。


「まどか、大丈夫か」


まどかは自分を呼ぶ声が聞こえた。


そっと目を開けると、新が心配そうにまどかの顔を覗き込んでいた。


「新」


「気がついたか?よかった」


「私、どうしちゃったの?」


「まだ信号が赤なのに、車道に飛び出したんだよ、俺はたまたま現場に居合わせて、

びっくりした、先生の話だと、どこも怪我ないし、赤ん坊も大丈夫だってよ」


「よかった、ありがとう」


「一人で出歩くなって言っただろう、旦那に真凜のこと話したか」


「話してない」


「どうしてだよ」


「だって……」


まどかは心配していたことが起こって背筋が凍った。

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