第38話

でも龍斗は大丈夫、大丈夫と弱音を吐かない、好きな女性なら、


側にいて欲しいんだろうが、まどかは違うと思った。


きっとそっと寝かせて欲しいんだろう。


まどかは龍斗の寝室を出て行った。

龍斗は朝まで眠ることが出来なかった。


でも、熱は下がったようで、身体がだいぶ楽になった。


「龍斗さん、おはようございます、身体の具合はいかがですか」


まどかが声をかけて、ドアを開けた。


すでに起き上がっていた俺を見て、笑顔を向けた。


「だいぶ良さそうですね」


「ああ、熱が下がったから身体が楽だ」


「それはよかったですね」


「今日から仕事へ行く」


まどかは俯いて何も言わない。


どうしたんだ。


「まどか?」


「なんでもないです」


「そうか」


この時、まどかは何を言いたかったのか、聞き出すべきだった。


まどかは真凜の動向が気になっており、一人で出かけることに躊躇していた。


でも今日は健診日で、龍斗に一緒に着いてきてほしかったのだ。

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