第35話

「うん」


「お前、この世から抹殺されちまうかもしれないから」


まどかは背筋が寒くなってきた思いがした。


「もう、怖いこと言わないで」


「うちまで送ってやる、奴に真凜のこと話してSPでもつけてもらえ」


「そんな大袈裟な……新、お金ないんでしょ、少しなら貯金あるから銀行寄ってくれる?」


「ほら、まどかの悪い癖、すぐに俺を甘やかすんだから」


「だって……」


「まどかは俺に誘拐されたんだぜ、誘拐犯に情けかけてどうすんだよ」


新は私を守ってくれた、真凜と言う危ない女から……


その頃龍斗は必死のまどかの行方を探していた。


マンションに戻ると、車から降りてきたまどかの姿が目に止まった。


まどかは運転席にいる人物に挨拶をして、手を振っていた。


誰なんだ。


運転席の人物は龍斗の姿を捉えると、急いでバックして、車を走らせた。


龍斗は急いで、まどかに近づいた。


「龍斗さん、もう具合は大丈夫なんですか」

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