第33話

「さてと、まどかの旦那に金を要求して、そうしたら、俺はお役目御免だな」


「何言ってるの、この女消してよ」


真凜は新に対して詰め寄った。


「俺は金さえもらえればいいんだ、そこまでやるとは言ってない」


「意気地無し、まさかこの女に未練あるとか言わないわよね」


「そんなわけねえだろ、とにかく真実がわかったんだから、お前は帰れ」


新は真凜を部屋から追い出した。


まどかはつわりの症状が出ていた。


「まどか、お前妊娠してるのか」


「うん」


「旦那の子供か」


「うん、でも龍斗さんには言ってないの」


新は不思議な表情を見せた。


「どうしてだ、お前のお腹の子供がは奴の子供なら、契約じゃなく、ちゃんと結婚出来るだろ、責任取らせろよ」


まどかはクスッと笑った。


「何がおかしいんだ」


「だって、龍斗さんと同じ事言ってるんだもん」


「えっ?」


「私が妊娠してること知って、奴の子供なら責任取らせろよって」


「その時、あなたの子供ですって言わなかったのか」

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