第28話

「ストーカーに狙われてるのは大変なことだけど、送り迎えは俺には出来ないから、

三倉に頼むよ」


「えっ、友梨ちゃんの送り迎え、龍斗さんはしないんですか」


「うん、朝も早く出ないといけないし、帰りだって遅くなるだろう、でも心配だから、

三倉に頼もうと思って、あいつは一人暮らしだし、彼女いないみたいだから、

大丈夫だろ、少しボーナスいつもより多く渡せばいいよ」


よかった、龍斗さんは友梨ちゃんの送り迎えはしないんだ。


三倉さんには申し訳ないけど、私は安心した。


龍斗さんとはあくまでも契約の関係なんだ。


いくら私が木崎龍斗の妻でも、わがままは言えない。


私のお腹には龍斗さんの子供がいるけど、内緒だから強く主張出来ない。


龍斗さんは私に対して好意の気持ちはない。


義理の妹との結婚を回避するための偽装だから。


それなのに、私はドンドン龍斗さんに惹かれていく。


いつも、自分の立場を弁えて自分に言い聞かせた、


龍斗さんを好きになっちゃいけないと……

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