第23話

二人で龍斗の父親の病室に入った。


「おお、龍斗、珍しいこともあるもんだな、お前がわしを見舞うとは」


「そんなことねえよ、今日は報告があって」


龍斗の後ろから、まどかが現れて、龍斗の父親木崎龍之介は驚いた表情を見せた。


「まどか、元気にしておったか」


「はい、ご無沙汰してしまい申し訳ありませんでした」


「今日は二人して、なんの用だ」


龍斗はまどかの腰を引き寄せ、言葉を発した。


「俺、まどかと結婚したんだ、すでに婚姻届も提出済みで、まどかのお腹には、

俺の子供もいる」


龍之介はわかっていたように笑顔を見せた。


「まどかがわしの娘か、これはめでたい、しかも孫まで」


「あのう、すみません」


「何を謝ることがある、何も問題はないぞ」


龍之介はまどかを手招きして、自分の側にくるように促した。


そしてまどかの手を握り「そうか、そうか」と頷いていた。


「親父、まどかに触れるな」


龍斗の言葉にまどかは不思議な気持ちを抱いた。

まるでヤキモチ妬いているみたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る