第19話

その女性は名刺を差し出して「私の連絡先です、ご迷惑でなければ、後日お礼をしたいので、連絡先教えていただけますか」そう言って、ペンとメモ帳をバッグから取り出した。


「あのう、スマホでLINE交換しませんか」


俺は今どきメモ帳とペンって、なんか可愛い女性だと感じた。


「あのう、スマホ持ってなくて、私ガラケーなんです、だから電話番号でショートメールなら出来るんですが……」


女性は恥ずかしそうに、顔を真っ赤にしていた。


やばい、心持ってかれた。


その女性が前島まどかだった。


俺は名刺を見て驚いた、親父の会社のしかも親父の秘書?


まどかの希望で電話番号をメモ帳に書いた。


「ありがとうございます、すみません、スマホ苦手で」


「いいえ、でも前島さんはタブレットお持ちみたいですから、スマホすぐ出来ますよ」


「ダメなんです、格好だけで、タブレット使いこなせてなくて」


「もし、良かったら俺が教えましょうか」


「え、いいんですか」


「もちろんです」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る