第三章 契約結婚の真意

第17話

まどかは妊娠を黙っていられず、龍斗に打ち明けた。


「実は私、妊娠中なんです」


龍斗は一瞬頭が真っ白になった。


「だから、薬は飲まない方がいいと思うので」


「そうか」


「すみません」


「いや、大丈夫だ、入籍は済ませたのか」


「まだです」


「俺、余計なことしたのか」


「えっ」


まどかは龍斗の言葉を理解出来なかった。


「まどかはこれから母親になるんだよな、奴と結婚して家庭を作っていくんだよな、

俺、勝手にお前を連れてきて、ごめん」


「あっ、大丈夫です、どうせあのアパート出ようかと思ってましたから」


「どう言うことだ?」


龍斗はまどかの言葉の意味がわからなかった。


「私、一人でこの子を生んで育てようと思ってます」


「だって、奴の子供だろう、責任取らせろよ」


「違うんです、だから一人で」


「誰の子供だ」


「社長の知らない人です」


その時、龍斗はもしかして自分かもと思い始めていた。


「まどか、子供の父親、俺だよな」


「違います」


まどかは力強く答えた。

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