食事を済ませて、まどかはゲストルームを案内された。

「この部屋鍵がかかるからこの部屋で寝ろ」

「ありがとうございます」

まどかは一人になると、涙が溢れてきた。

今から二時間前、まどかの部屋で恋人の新が見知らぬ女性とベッドを共にしていたのだ。

その現場を目の当たりにして、確信した。

新は慌てて言い訳するでもなく、発した言葉が「俺、こいつが好きなんだ」だった。

まどかは五年間付き合った年下の彼に振られた。

三十九になって一人って、ずっと一人じゃん。

今度こそ結婚出来ると思っていた。

でも、薄々感じてはいた、三年間も彼とベッドを共にしていない。

現実をみなくちゃいけないのに、わざと見ないようにしてきた。

だから、こんなことに……

浮気なら、許している、でも本気じゃしょうがない。

そこにドアがノックされた。

「もう寝たか、酒を一緒に飲まないか」

まどかはドアを開けて「はい」と頷いた。

まどかが泣いていたことに気づいた龍斗は気を利かせて酒に誘った。

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