第12話

どれ位の時間が過ぎただろうか、私は酷い言葉で彼を責めていた。 

「彼女居るのに、どうして居ないなんて言ったのですか、なんでうそ言ったの?」

えっ違う、私なんて酷い事を、彼を責める資格ないのに・・彼はちょっと戸惑った表情で、今の状況を受け入れられない様子だった

「えっ?彼女は居ないよ、うそは言っていない」

私は穴があったら入りたい気持ちで何も言えなかった。

「どういう事?」

彼は全く身に覚えが無い様子だった。

私はゆっくり深呼吸をして昼間の出来事を話した。

「あっ、彼女はお客さん」

「えっ?お客さん?」

と、私の言葉に彼はしまったと言う表情を浮かべた。

「あっ会社のお客さん」

不思議な顔をしていた私に、彼は困った表情で言葉を探していた。

「会社のお客さんって変だよな」

明らかに何かを隠していると悟った。

私は聞いてはいけない事を聞いていると思い困っている彼に謝った。

「ごめんなさい、触れちゃいけない事みたいですね」

彼は深呼吸をして話始めた。

「そんな事無いよ、驚かないで聞いてほしい、俺はホストクラブを経営している」

私の表情を確認しながら、彼は続けた。

「自分の店で、俺はホストの仕事をしている、彼女は俺の常連さんなのだ」

「ホスト?」

そうか、私はなんか納得した。

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