第8話

「夕飯、肉じゃがね」

彼は私に微笑みかけた。

なんて素敵なの、優しいし、かっこいいし、私には勿体ない。

「あゆみ、聞いている?」

彼の言葉で我に返った。

「ごめんなさい、なんでしたっけ?」

彼は呆れたかのように私を見つめていた。

「夕飯肉じゃが」

「あっ、分かりました」

彼との生活がずっと続けばいいなあと、心から神様にお願いした。

 夕飯を食べ終わり、彼はまた思いもよらぬ事を提案した。

「明日、仕事夕方からだから、昼間指輪買いにいこう」

えっ指輪?どういう事?私は尋ねた。

「指輪ってどういう事ですか?」

彼は優しく微笑んで答えてくれた。

「俺とあゆみの結婚指輪」

え~結婚指輪?ちょっと待って、頭の中はまるで、突然嵐が来たみたいにグルグルと回り始めた。

「俺達結婚したのだから、指輪プレゼントして当たり前だろ」

なんて答えていいか、言葉を失った。

この人の考えに私着いていけてない。

そしてまた、彼は信じがたい言葉を投げかけた。

「あゆみに指輪はめてほしい、俺の大切な人だから」

次々と私の予想を遥かに超えた言葉が飛び出してくる。

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